アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の原因は、まだはっきりとはわかっていませんが、遺伝的な体質に加え、環境的要因が影響して発症すると考えられています。多くの患者様は、皮膚が乾燥しやすい素因とアトピー素因を併せもっているので、専門医がきちんと検査・診断します。

基本的な治療は塗り薬（外用剤）です。
皮膚炎の程度や場所によって強さや基材（クリーム・軟膏・ローション）を細かく使い分けることが大切です。

ステロイド外用剤以外に免疫抑制剤を使った治療もお勧めします。ステロイド外用剤による副作用（皮膚の萎縮や色素沈着）を防ぐことができます。

免疫抑制剤の注射の治療はとても効果が高くてお勧めの治療です。費用が高めですが治りが悪くて長期化して困っている方にはお試ししてその効果を実体験していただければよいと思います。

アトピー性皮膚炎悪化を防ぐために保湿剤を一緒に使うことを勧めています。乳児から子供用から大人用まで幅広くいろいろな保湿剤を用意しています。特に乳幼児期から保湿剤を使ってスキンケアを行うことでアトピー性皮膚炎の発症を防ぐことが証明されています。 当院ではスキンケアの指導に特に力を入れて指導しています。

1.お薬を正しく使いましょう

皮膚にうるおいを与える塗り薬、また、かゆみや湿疹を抑える塗り薬や飲み薬などがあります。皮膚にうるおいを与える塗り薬はお風呂あがりに使うと効果的です。

2.皮膚をいつも清潔にしましょう

入浴やシャワーにより皮膚を清潔に保つ（ホコリやダニや花粉や汗などのアレルギーの原因が付着していると悪化しやすい）

3.お風呂はぬるめにしましょう

熱いお風呂に入ると、かゆみがひどくなります。
お風呂はややぬるめにしましょう。
また、ナイロンタオルを使ったり、ゴシゴシ洗ったりするのは皮膚に刺激を与えるのでよくありません。

4.刺激の少ない肌着を着ましょう

刺激の少ないなるべき肌にやさしい木綿のものにしましょう。

5.お掃除はこまめにしましょう

部屋のほこりやダニは病気を悪くする原因のひとつです。
掃除をこまめにして、お部屋をいつも清潔に保ちましょう。
換気にも気を付けましょう。（コロナ対策を含めて）

6.引っ搔かないようにしましょう

肌を引っ掻かないことが大切です。
できるだけ引っ搔かないように努めましょう。
また、爪は短く切りましょう。

7.顔面の症状が強い場合は眼科医の診察を定期的に受けましょう。

眼の周りの皮疹を引っ掻いたり叩くことで眼病変（網膜裂孔・網膜剝離）を生じることに注意しましょう。

8.薬がなくなる前に病院を受診しましょう

正常な皮膚を保つことがアトピー性皮膚炎の完治への近道です。
薬を使っていい状態を維持することでアレルギーの症状が改善します。
薬がなくなって症状が悪化してから受診するのではなく、日頃から皮膚を正常な状態に保つことが大切です。

アトピー性皮膚炎の治療は軽い症状から強い症状まで、経験豊富でアレルギー専門医の当院にお任せください。丁寧なスキンケアの指導を含めて治療します。